はじめに

レーザ溶接の一つに「キーホール型溶接」という方法があります。この技術は、自動車、航空宇宙、医療機器などの製造業界で広く用いられており、その精密さと効率性から多大な評価を受けています。

キーホール型溶接とは?

まず、キーホール型溶接とは何か、その基本的なプロセスを説明いたします。

この溶接は、レーザビームの照射によって材料を溶融し、深い「キーホール」と呼ばれる穴を作り出します。レーザが素材に浸透すると、キーホールはレーザビームに続いて移動し、素材が再び固化するときには、一連の連続した接合部を形成します。このプロセスは、比較的深い接合部を作り出すことができるため、厚い部品の溶接に特に有用です。

このように、穴(キーホール)を空けて、複数の素材を溶接して結合することを「キーホール型溶接」といいます。

特徴

キーホール型溶接の特長は、その精度と効率性にあります。

レーザビームは直接、特定の領域に熱を供給するため、溶接の精度が高く、また、迅速な冷却が可能です。これにより、部品の変形や損傷のリスクが低減し、高品質な製品の製造が可能になります。

レーザでの得意な溶接手法と言えるでしょう。

キーホール型溶接の応用例

具体的な使用例を紹介します。

  • 重機製造
    • 大型機器や装置の製造において、厚い鋼板を結合するためにキーホール型溶接が利用されます。
  • 造船
    • 造船業では船の船体やその他の構造物の製造において、厚い鋼板を結合するために利用されます。
  • 航空宇宙
    • 航空機や宇宙船の部品を製造する際に、強度と精度が求められます。キーホール型溶接は、そのような要求を満たすための技術として利用されます。
  • 自動車
    • 自動車のボディパーツやエンジン部品の製造において、キーホール型溶接が利用されます。これは、自動車部品の製造では、強度、耐久性、そして精度が重要な要素となるからです。
  • 建築・土木
    • 建築物やインフラの製造において、鉄骨や他の構造材料を結合するためにキーホール型溶接が利用されます。

この技術は、産業界全体でその有用性と効率性から高く評価されています。今後も、さらなる技術進歩とともに、その使用範囲は広がっていくと考えられます。

 

参考

– Laser Welding Modes: Conduction, Transition, & Keyhole Welding – Baison

–  Laser and Laser-Arc Hybrid Welding in European Shipbuilding – TWI

 


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